イラスト日記

2001年 5月

DIARY INDEX


祝! Dessinateur創立7周年

1st May.2001

毎年わがDessinateurは、ゴールデンウィークの最中に独立記念日を迎える。だけど今年は病気の鬱のなかで迎えた7周年だった。
この7年間でぼくの製作環境は大きく変化した。
手描きのイラストしか描いていなかった7年前、まさか今みたいにCGが主体になろうとは思いもしなかったし、
カラーコピー機なんぞをアトリエに導入するなんて夢に近い話だった。
そしてなによりも、自分自身が日々の仕事に流されて、マンガやオリジナルイラストを描こうという熱意が
冷めかけてしまうなんて、思ってもいなかった。
「燃え尽き現象」とでも言うのかな?
昔はなんの苦労をしなくても、「美少女を描こう」という情熱がふつふつと沸き上がってきて、一日に何枚も描いたりしたものだ。
最近は自分でなんとかして盛り上げていかないと、筆を取る気も起こらなくなった。
いつまでも自分の描きたい絵が描けるような作家は幸せ。そんな幸せをぼくもなんとかして目指していこうと、まだまだ思っている。


コミックスペース2001

4th May.2001

今年のコミックスペースは福岡国際センターでの開催。オリジナルサークルは目立って少なくなっている。
今日は予定していたBeauty-Qの新刊を落とした換わりに、以前発行したむらさき可憐さんの写真集のプレミアムバージョンの
フルカラー写真集を発行することができた。ま、新刊としてはあまり目新しさがないのは残念だけど。
本の売れ行きの方は相変わらずさっぱり。今日はあまり写真を撮る気も起こらず、コスプレスペースは適当に流すだけ。
知り合いの子に「ネットオークションに服売りに出す前に、写真撮って」と頼まれていたので、もっぱらそれを撮っていた。
最近「どうしてイベントに出るのだろう」と考えることがある。
自分の本を売るため? 写真を撮るため?
ほんとはそんな実際的かつ現実的な動機じゃなくて、パワーをもらいたいからなのかもしれない。
本やグッズを手に取って誉めてくれる。あるいは厳しく批評してくれる。
数少ない読者がスペースに遊びにきてくれて、本の感想を聞かせてくれる。
他のサークルの気になる作家さんに会って話しができる。
そういう通販などではわからないダイレクトな反応に、「自分もがんばらなきゃ」と刺激を受けることができるのが嬉しいのだ。
だからなんのかんのと言いながらも、やっぱりイベントに出続けているのだろう。
どうも体調がすぐれない時は、思考も病んでいる感じ。


第3回プロアマコンペ

6th May.2001

長かった闘病生活も、石を排出した感触とともに終了したらしい。
なんとか今日のプロアマコンペの日までに、体調を復活させることができた。
今回のエントリー種目は、前回と同じタンゴとワルツ。残念ながら新種目を追加できなかった。
かといって練習不足が祟って、エントリー種目もいまいち踊り込み不足。
それでも両種目とも優勝できたのは、やっぱライバルが少ないから?
まあ「優勝」は嬉しいものだが、厳しい練習から勝ち取って得たいものだね。


北九州博覧祭

8th May.2001

7月4日から4ヶ月に渡って、北九州のスペースワールドの横で「北九州博覧祭」というお祭りが催される。
今日はそのイラストマップを描くということで、現地の取材に行った。
開催まで2ヶ月弱に迫っているというのに、会場はまだ土煙をもうもうと上げて、ダンプカーが走り回っている。
さすがにメイン会場の建物はかなり出来上がっているが、全体的に工事がかなり遅れているらしい。
この状態でイラストマップを描かないといけないとは。かなり修正が入りそうでとっても不安。


連休後の修羅場は辛い

10th May.2001

連休明けからいきなり修羅場。以前からやっていたイラストの修正と、住宅関連のイラストの注文などが相次いだ。
病気で長いことあまり動いてないし、しばらく机についていなかったものだから、急な仕事の増大にいささか辟易。
最近のまりのえ的仕事ペース。
昼間は打ち合わせや納品で時間を裂かれるので、仕事始めはどうしても夕方になる。夕方から11時くらいまで仕事。
その後遅い夕食を食べると眠くなるので(笑)ついうたたね。しかもそれが夜中まで起きられない。
目覚ましを夜中2時から3時にセットして寝過ごすのを防ぐ。
夜中に目を醒ましてすぐに仕事にかかれるかというとそうもいかず、脳が覚醒するのを待つこと数時間、
明け方近くになってようやく仕事のペースが上がってくる。
そのまま朝を迎え、午前中納品の仕事をギリギリにアップ。見返して修正する暇もありゃしない。
納品から戻って2時頃遅い昼食。またまた眠気が襲ってきてやっぱりうたたねに数時間(笑)。
〜という、ある意味規則正しい不規則な生活の繰り返しだ。そりゃ病気にもなるわな〜。


マンション三昧

13th May.2001

久し振りに時間が空いたので、相方の磨悠子さんと、近くの以前からチェックしていたマンションのモデルルームを見に行った。
まりのえはマンションが大好きだ。買えるあてなんてないのに(正確にはローンの融資を受けるあて)、つい物件を見に行ってしまう。
勿論仕事の上でいろいろなマンションを見ていると勉強になるというのもあるが、マンションの部屋に入ると
「ここになにを置いて、この辺はこれ」と、ついドリームに浸ってしまうのだ。
最近は以前より目も肥えて自分の要求も厳しくなったが、やっぱりどこのマンションでもそれなりにドリームできるのは得な性格かも。
そりゃ一戸建てのアンティークな感じの洋館が、いちばん好きだけどね。


誠実であるという事

14th May.2001

「春になったらポーセリンパークでドレスの写真撮って下さいね」と以前から姫にお願いされていたので、本日撮影の運びとなった。
ところが今日はまりのえ=まりりんにとっては大剣殺の一日だった。
その日の午前中納品の仕事が難航して、徹夜の末ようやく終了。急いで納品して高速を飛ばしたものの、姫を迎えたのは昼。
しかも財布の中にあまり現金がなかったので、どこかのCDでおろそうと思っていたら、カードと通帳をそっくり忘れて来たことに気がついた。
こうなったら完璧に手詰まり。恥を忍んで姫に事情を話したら姫は随分たまげた様子だったが、笑いながらお金を貸してくれた。
う〜ん。今日一日姫から借りた資金で姫にご馳走すると思うと、おっきな借りができてしまったって感じ。
さて、撮影の方は毎度お馴染みの有田ポーセリンパーク。
しかしこのポーセリンパークは、最近よくある第三セクターの経営行き詰まりで、昨年の暮れに経営が変わってしまっていた。
だがそれも悪いことばかりではない。去年からお世話になっていた受付の方も事務の方も引き続き勤めていたし、
なにしろ今まで閉まっていた店やアトラクションの一部が開いていたのが嬉しい。
と言いつつ、撮影となったら、そういう観光をしている余裕はない。
しかも今回は予定が遅れているので、ほんとに脇目もふらずひたすら撮影に励んだ。
「伊万里牛が食べたい」と姫と意見が合ったので、帰りに伊万里牛のある和食屋に寄る。
「茉莉さん(姫は『まりりん』の他に、ペンネームで呼ぶことがある)、あたしですね、心には限りがあると思うんですよ」
と、人に対して誠実であることをなによりも重んじる姫が、意外なことを切り出した。
人は誠意を貫ける人の数には限りがある。だから自分が誠を尽くしたい相手にはとことん尽くすが、
そうでない人に対しては、決して期待を持たせるような取り繕ったことは言わないようにするというのが、姫の持論だ。
それは当たり前の事のようであって、なかなか難しいことだ。
人は社交辞令や付き合いの流れから、安請け合いをしてしまうことが度々ある。敵に廻してでも断るというのはできることじゃない。
「巧言令色鮮し仁」という諺があるが、確かに八方美人というのは誰にでもいい顔をする分、
ひとりの相手に対する気持ちの込め方はおざなりのような気がする。
気のない相手に期待させて待たせるというのは、それだけでも相手に対して失礼にあたることではないだろうか。
今日の姫のこの言葉は、なかなか示唆に富んだものだった。


ビデオガール

25th May.2001

「ネットアイドル大集合」といった東京で催されるイベントに出かける前の可憐さんから連絡。
「東京に行った時に、スカイパーフェクトTV(以下スカパー)から取材を受けることになったんです。
それでスタジオでの撮影風景のビデオをほしいと言われたんですよ〜」
「確か6月の4日には東京に行くんじゃなかった?」
「だからそれまでにビデオ撮って下さい」
「…」
と例によって急なお願い。相変わらずわがまま全開ぶりだ。
ところが、先週日頃お世話になっているTakayaさんに撮影機材の注文をしていて、近々彼と機材の引き取りで会うことになっていたし、
26日には橘 麗巳さんの撮影予定をずいぶん前から入れている。
なにしろみんな遠方で、仕事も忙しい時期にそんなに何回も出掛けられないということで、
結局Takayaさんの家に泊めてもらい、二日連続で撮影会をすることになった。
まず25日は可憐さんの撮影。
今日はTakayaさんにスチールを撮ってもらい(本職のカメラマンに対して結構失礼なまりりんである)、その傍らでビデオを回す。
まずは福岡博物館周辺でメタモルフォーゼでの私服撮影。興がのってきたところでコスプレでの撮影。
夕食の後、スタジオにてビデオとスチールの撮影。
ビデオはスチールと違って、かなりのストーリーと演技力が求められる。
まあ最終的に編集はスカパーの方でやるんだからいいが、それでもきちんと筋道をたてた撮影をしたいものだ。
演技力に関しては可憐さんも痛感したようで、ある程度のやらせ的演出でも映像になれば様になるのを見て、感心した様子だった。
その夜は例によって深夜まで撮影が及び、結局眠ったのは、もう朝刊が入るという頃だった。


レトロガール

26th May.2001

この日は11時に麗巳さんと地下街で待ち合わせ。
麗巳さんはゴシックなメタモルフォーゼのワンピに、それに合わせた派手目のメイク。遠くからでも目を引く出で立ちだった。
有田ポーセリンパークに行くか門司港レトロに行くか迷ったが、撮影後の食事の事を考えて、地元北九州のレトロに決定。
今回の撮影は『物静かな雰囲気のゴシック調で』とテーマを決めていたので、麗巳さんも抑えめのポージング。
まるでファッション雑誌系のポートレート撮影になった。
「じゃあそこに裾広げてしゃがんでみて』
とぼくが注文つけると、彼女はクルリとターンをしてしゃがみこむ。
ワンピースはまるで大輪の花が咲いたかのように綺麗に広がり、その真ん中で彼女がにっこりと微笑む。
う〜ん。お見事。その手際のよさと美しさに、思わず舌を巻いてしまった。
撮影の後はラフォーレ小倉でブティック巡りを少しして、フランス料理のレストランで夕食。
かなりハードスケジュールの二日間だったが、出来は上々。なかなか有意義な撮影ツアーになった。


まりのえ大ピ〜ンチ!

31th May.2001

「まりのえ(仮称)君。今どき携帯も持っていない人っていないよ」
「はあ、、、でも留守電にみんな用件入れてくれるんで、必要ないんですよ」
「急ぎの用件の時は、すぐに連絡がとれないと困るよ。携帯持ってよ」
「はあ、、、(渋ってる)」
「いつでも連絡がとれるってのもサービスのひとつだろ」
「そりゃそうですけどね、、、でも(まだ渋ってる)」
「そんなんじゃ、これから仕事出せないよ!」
 …ってわけで、まりのえ大ピ〜ンチ。
実はまりのえは5年程前にはちゃんと携帯(PHSだったが)持っていた。
仕事のからみで加入させられたのだが、その時につくづく「携帯ってのは猫の首に鈴をつけるもんだ」と実感したのだ。
確かにいつでもたいていの場所でも連絡がとれるのは便利だ。いちいち公衆電話を探す手間も省けるし、待ち合わせのすれ違いもなくなる。
だが、何をしていても電話が気になって落ち着かないし、仕事とプライベートの境目がますますなくなってしまうのが、イヤだった。
脳みそも電磁波で煮えたぎってしまうのが恐いし、日本中で最後の一人になっても携帯不携帯を貫くつもりでいたのに。
確かにこの御時世、自由業で携帯持っていないのはかなりのハンデかもしれない。
人の携帯を拝借するのもそろそろ顰蹙を買い出したようだし… まりのえが携帯に加入するのも時間の問題かもしれない。


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