イラスト日記

2004年 9月


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二百二十日

7th Sep.2004 


立春から二百二十日目は、二百十日に次いでなにかと災いの多いと言う。
かく言う今年も先週の台風16号を上回る最大級の台風がやって来た。中心気圧は940mmhp、広島で瞬間最大風速60m以上を記録するという、凶悪な台風だ。
今回我が家にも被害続出。午前中、次第に強くなる風雨に、家中はミシミシ鳴り、野外では風で樹木がしなる音しか聞こえない。やがて、風雨が真横から吹き付けるせいで、窓の隙間から雨漏りを始めたのだ。隙間に雑巾を詰め込んで凌ぐが、しょっちゅう雑巾を絞っていないと水浸しになる程の浸水状況。
更に昼頃ンHKの台風情報を見ていたら、突然画面が真っ白に。どのチャンネルも写らないので、これはアンテナがやられたらしい。屋根に登って直そうかと思ったけど、外は今が旬の暴風雨。
「アンテナを直そうと屋根に登った北九州市内の男性(○○歳)が、強風に煽られて転落。死亡しました」
等という記事を想像して、やめた(笑)。
午後0時45分頃からあれ程までに荒れ狂っていた風雨がやむ。「あ。目に入った」と感じた。
ポータブルテレビをつけて見た所、やはり台風は北九州上空を通過した様だ。
午後の吹き返しは午前中程の凶悪さもなく、序々に治まっていく風雨にほっと一安心。
結局、我が家の被害は笑い話程度のものだったが、巷では5000t以上もある船が転覆したり岸に打ち上げられたりと、凄まじい惨状を呈していた様だ。被害に遭った方面の方々にはお見舞い申し上げます。
今回も台風一過撮影を目論んだものの、仕事の都合がつかず断念(笑)。


テロの世紀

4th Sep.2004 


ロシア南部の北オセチア共和国で起きた中学校占拠事件は、最悪に近い結末を迎えた。
人質1000人以上が押し込められた体育館が爆発し、大勢の人質が爆死や圧死。更に逃走した人質を武装グループが背後から射撃。結局300人以上。一説によれば600〜700人あまりの犠牲者を出したというのだ。それは、これまでの多くの人質事件の中で、あまりにも悲惨で、残虐な事件となった。
人質、そして犠牲者の多くは小学生〜高校生までの子供。
犯人の武装グループは弱者をターゲットに、これを大量殺戮するのを主目的として学校を占拠したようだ。
そこに人道主義や聖戦のヒューマニズムはない。
テロのためのテロ。混乱を先鋭化させようとすることが目的の、反社会的行動にしか見受けられない。
表向きはチェチェン共和国の独立運動を装っていると思われるものの、その奥には民族と宗教の対立がある。
民族が、そして宗教が、お互いに憎しみ合い、報復を繰り返し、血で血を洗う闘争を繰り返す。
テレビで、人質となった少年少女達の映像が流れる度、彼等の絶望した表情や悲しみにくれた眼差しに胸を痛めざるを得ない。
そして、否応なく事件に巻き込まれた際に、人間がいかに無力な存在であるかを痛感させられる。
ひとりの主人公が危機的状況を救う様な、映画の様なことはありえない。
民族や宗教の対立、そして戦争の大きな歯車の中に、ヒーローはいない。
それが世界の現実なのだ。
このサイトの性格上、宗教や政治について深く語る事は避けているが、今回の事件には激しく憤りを感じるものがあったので、特に記す。

そして、この事件を平和ボケに浸っている日本人に、もっと真剣に考えてほしい。
「オリバト」等と称して、同級生と殺し合う様な小説を書いている中学生どもに、本当に人が殺し合うという事が、どんなに悲惨で精神を痛めるかと言う事を、もっと真剣に考えてほしい。
勿論、同級生同志がいたずらに殺し合う扇情的な映画を作り、それに「青春の証明だ」とか「命の貴さを考えてもらう」等と屁理屈をつけて、自らの商業主義を誤魔化そうとする様な映画人に、一番に考えてもらいたい。