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モデルとのラポール
9th Oct.2003

ラポールとはお互いの信頼関係のこと。
もし君が、ただ、可愛こちゃんが写っているだけの凡庸な写真で満足しているのなら、このセクションは読まなくていい。だが、もっと彼女の魅力を引き出したポートレート写真を撮りたいと思っているのなら、撮影テクニック以上にラポールは重要だというのを知っておいてほしい。


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  モデルに嫌われるカメラマンは?

□ 撮影に熱中し過ぎて無口になる
□ モデルにあまり気を遣わない
□ モデルに無理なポーズばかり注文する
□ モデルに写真も見せないし勝手に公開したりする
□ イベント等で撮り逃げすることがある
□ おたくな話をし過ぎてモデルが沈黙することがある
□ ポーズ指示にかこつけて必要以上にモデルにさわる
□ モデルのプライバシーをしつこく聞く
□ カメラがナンパの小道具になっている
□ モデルにストーカーまがいの行為をする

以上の項目に3つ以上心当たりがある人は、残念ながら君は、イベント内のモデルの間で「イヤなカメラマン」の噂が立っている事を覚悟をした方がいい。ここに挙げた項目は、すべてモデルが嫌がるカメラマンの条件だからだ。
だがこれらの項目は、正常な人間関係を築く上での当たり前のマナーばかり。こんな精神論から入らなければならないのはまどろっこしいかもしれないが、はじめにマナーありきなのだ。
以前、あるモデルさんが笑いながら話してくれた事がある。
「嫌いなカメコがいるんだけど、
その人からもらう写真の私は、いつも顔を背けててイヤそうな感じなんですよ。やっぱり感情って写真に出ますよね〜」
これを読んで、君は他人事で済ませる事ができるか?
カメラにはおのれの煩悩と欲望を具現化させる力があるだけに、その魔力に心が支配されないようにしないといけない。

 

もっとよくわかる用語解説

■著作権と肖像権
ポートレート撮影で発生する権利が、いわゆる「著作権」だ。著作権にもいろいろあるが、「著作人格権」は撮影したカメラさんの写真、「肖像権」は写っているモデルに、それぞれ自動的に与えられる。
カメラさんはモデルの許可なく写真を公開することはできないし、モデルもカメラさんから貰った写真を、勝手に公開・改変できないし、公開の際には撮影者名を記さなければならない。
人の撮ったポートレート写真を、無許可でコラージュしたりしてHPにアップするなんてもってのほか。著作権と肖像権の二重の権利の侵害になる。
「アイコラ」は立派な「犯罪」なのだ。

著作権について詳しく知りたい方はこちらを参照するといい▼
     著作権のひろば

  モデルとカメラのビミョーな関係

最初に反感を買うのを承知で敢えて言おう。一般的なカメコさんのポートレート写真のほとんどは、単なるカタログ写真だ。
写されているモデルさんの息づかいも感情も感じられない、無機質な写真だ。
それはカメラとモデルの間に、信頼関係が成立していないからではないだろうか。カメラマンはモデルの上っツラにしか興味ないし、モデルはカメラのレンズしか見ていない。
勿論、モデルを「ひとつの人格」として写すことに興味ない方もいるし、コレクションのひとつとして撮りたい人もいるだろう。余計な感情を排して、女性をオブジェとして撮る人もいる。
そういう「オブジェ」を撮るのが好きなカメラさんは、ここから先は読む必要はない。(読んでくれると嬉しいが)

まりりんはポートレート撮影は「疑似恋愛」だと思っている。
よいポートレートを撮るのに必要なのは、写真のテクニックだけじゃない。愛だ。 被写体となる女性に愛情を抱いてないと、ポートレートなんて撮れない。(この場合の「愛」とは、被写体に対する「理解」と思ってほしい)
レンズを通して愛するモデルを見つめているうちに、彼女を慈しみたい愛情と、独占したい欲情とがムラムラと沸き上がってきて、そのリビドーの果てにレリーズ。
そういうエモーションは、技術以上に大事なものだと思うのだ。
だからまりりんが薦めるのは、まず、自分が気に入ったひとりのモデルだけを、じっくりと撮っていくことだ。
同じモデルを長く撮り続けるうちに、彼女の心も開かれ、その表情も君に対する信頼感で魅力的になってゆくだろう。そしてそんなモデルの変わりざまを見届けるのも、カメラマン冥利のひとつなのだ。
「大写真家が撮った写真も、恋人の素人写真にはかなわない」
とポートレート写真で言われる所以は、モデルとカメラのそういう特殊な事情があるからだ。
勿論他に可愛い娘がいれば、そちらに眼が向くのは男の性。
しかしひとりのモデルも満足に撮れないヤツが、大勢のモデルを撮れるわけがない。よそ見をしているうちに、せっかく撮らせてもらっていたモデルにも、愛想をつかされるのがオチだ。
だが「疑似恋愛」はあくまで作品造りに必要な、その場限りの感情に過ぎない。
それを本物の恋愛と錯覚してしまうと、お互いが傷つく結果にもなりかねない。
その辺の気持ちの切り替えと、友情と恋愛の危うい綱渡りを渡れる心の余裕が、ポートレートカメラマンには必要なんじゃないだろうか?
「恋愛」というのは極論かもしれないが、ぼくが言いたいのは「相手を理解する努力」をしようという事だ。


  ■撮影会
いつ頃からかモデルとカメラがイベント時以外で撮影する事を、「撮影会」と称するようになった。
「撮影会」もモデルとカメラそれぞれ複数で行うグループ撮影と、お互いふたりきりでの撮影に分けられる。
「撮影会」、なかでも「個人撮影」はカメラさんの憧れであり、お目当てのモデルを「個撮」で撮るのはカメラさんの夢だ。
だがカメラマンが「個撮」に誘ったところで、まだ親しくもないモデルは簡単に首を縦に振ってくれない。女性モデルにとって男性カメラマンと1:1で撮影に出掛けるというのは、男が思っている以上に勇気のいることである。なぜなら個撮は「デート」に近いからだ。
長い時間をカメラマンとふたりきりで過ごしたり、食事したり移動にクルマを使ったり、更に個室で撮影を行ったりするという事は、モデルにとってよほどの信頼がないとできないことなのだ。だからカメラマンは極力モデルに不安感を与えないように心を配らねばならない。
始めのうちは、グループでの「撮影会」をこなしていき、そのなかで親しくなったモデルと「個撮」するというのが自然な流れだろう。
たまに誘われれば初対面でも、ホイホイ「個撮」についていく無茶なモデルもいるが、そういうのを見るとハラハラする。
カメラマンのなかにはナンパやヌード目当ての悪質なやつもいる。口先三寸で騙されてホテルに連れ込まれ、脱がされたり暴行されたりした例もあるのだ。
「コスプレモデル殺人事件」なんて新聞の見出しを、まりりんは見たくない。
  「また撮って」と言わせるコツ

ポートレート撮影ではモデルへのサービスが重要になってくる。その術こそがカメラマンの腕のひとつだろう。「また撮って」とモデルに言わせるには、プレイボーイの秘けつに学ぶのがいちばんだ。

Secret1 褒め言葉でくすぐれ
褒められて喜ばない女性は、まずいない。どんな女性でも必ず美しい部分があるものだ。すかさずそれを見つけ出して、撮影中でもさり気なく褒めよう。ただし過剰な褒め言葉は嫌味にとられ、逆効果になることもあるので注意。
Secret2 会話で癒せ
会っていきなり撮影に入るのはせっかち過ぎる。まずはお喋りを楽しもう。会話は撮影前の前戯として有効だ。TPOに合わせた会話でモデルをリラックスさせよう。無論その会話の中で、モデルの観察研究も怠らない様に。
撮影中もモデルには積極的に話しかける事。沈黙はモデルを不安にさせる最大要因だ。
Secret3 うぬぼれてしまえ
カメラマンが緊張していたり、自信がなくてオドオド撮影していたりでは、モデルにバカにされるだけ。モデルの前では大写真家みたくふるまおう。場数をこなせば度胸もついて、自信もつく。撮影テクニックは後からついてくればいい。
まずは精神面でモデルに負けるな。
…だからと言って、機材自慢は鼻につくだけ。
どんなにカメラを自慢しても、自分の腕がいい証にはならない。むしろ機材にしか頼れない小心者に見られるぞ。
Secret4 花束で落とせ
「花束で落ちない女はいない」はプレイボーイの鉄則。ちょっとしたサービスやプレゼントが、モデルの心をくすぐるのだ。いろんな場所で撮影してモデルを楽しませてあげたり、小物でイメージアップしたりと、綺麗に撮れる努力をしよう。女の子はそんな風に尽くしてくれる男が好きなのだ。
ただ、そのためには普段の情報収集と勉強が大事。
Secret5 オンリー・ワン
「ナンバー・ワン」では女の子は満足しない。
ファインダーで覗いている間は、そのモデルが君にとって、誰よりも美しくて魅力的な、ただひとりのお姫様なのだ。彼女の気分を昂めて、夢見心地にすることができれば、君は一流だ。
間違っても他のモデルと較べたり、貶めるようなことは言うな。
Secret6 寝技に持ち込め
どんなにモデルにサービスしても、それはカメラマンにとって求める写真を得るための「手段」に過ぎない。モデルの喜ぶ写真だけでは、男は満足しないのは事実だ。
モデルが気を許してきたら更に攻め込んで、より先の旗を狙え。
決して「安全パイ」に甘んじるな。女の子は「危険な男」に惹かれ勝ち。「この人は私をどこまで剥いてくれるの?」とドキドキしているのだ。
注*もちろん本当に押し倒して脱がしてはいけない(笑)。
Secret7 後腐れなく
アフターケアは重要。興が乗れば撮影後に食事でもして、今日の感謝と感動を素直に表して引き上げる。アフターシューティングは期待しない。モデルのプライバシーまで嗅ぎ回るのは、ダサ男くんのすることで、粋じゃない。
もちろん写真をプリントやデータで渡すのはマナーだ。それが次回の撮影にも繋がっていくのである。

 

 

■撮影会のいい事イヤな事〜モデル編
モデルにとってどんな撮影が好ましいか、アンケートのデータがあるので、紹介してみよう。

 <撮影で楽しい事は? >
■いろんな所に行ける事 …44%
■カメラマンと話す事…27%
■ポーズをとる事…17%
■その他
 *いろんな人に出会える事
 *スタッフと一緒に
  作品づくりができる事
 *ふだん着れない服を着たり
  メイクしてもらえる事

 <撮影でイヤな事は?>
■指示がわかりにくい…25%
■カメラマンが無口…20%
■環境が悪い…18%
■カメラマンが怖い…17%
■無理なポーズをとらされる…14%

 <撮影しやすいと感じるのは
    どんなカメラマン?>
1 指示がわかりやすい人
 ★★★★★★★★★★
2 話しかけてくれる人
 ★★★★★★★★
3 褒めてくれたりして
 気分を盛り上げてくれる人
 ★★★★★
4 明るくて楽しい人
 ★★★★
5 撮影の雰囲気を作ってくれる人
 ★★★
6 笑ってくれる人
 ★
7 怒鳴らない人
 ★
8 モデルの立場になってくれる人
 ★
9 すでに面識のある人
 ★
10 リラックスさせてくれる人
 ★
ポートレート撮影の大研究〜玄光社より

これはプロモデルへのアンケートだが、プロもアマもカメラさんとのコミュニケーションを求めていることに変わりはない。
いいポートレート写真は、まずモデルとのコミュニケーションからというのは、変わることのない鉄則だ。


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