イラスト日記

2001年 10月

DIARY INDEX


夏の終わりの海

2nd Oct.2001

撮影会はしないときはぱったり途絶えるが、いったん始めるとなぜか続く。
今日はArisaちゃんとの撮影。前回の撮影ではワンピースのデザインが納得できず、そこが不本意だった。
そこで今回知り合いにサマードレスを作ってもらっての撮影。前原の奈多海岸で写真を撮った。
後半戦はスタジオあ〜るでの撮影。この時の模様は別の日記に書くので、詳しく知りたい方はそっちを参照。


赤い靴

7th Oct.2001

もうすっかり板についてきた社交ダンスプロアマコンペの日。今回は福岡アクロスで開催された。
最近レッスンをさぼってることもあって、今回はワルツのみのエントリー。クラスを変えて2回踊る。
どうやらぼくの出ているクラスは競争率が低いらしく、今回もあっけなく優勝してしまった。
今はクローズド競技といって、ベーシックステップのみの種目で出ているが、そろそろオープン競技に変更したいかも。
こちらはレベルも高くおいそれとは優勝できないだろうから、それなりに緊迫感があっていいだろう。
それに憧れの燕尾服が着れるのがなにより嬉しい。ただ、か〜なりお高い代物なのだ。
一度履いた赤い靴は、そう簡単には脱げない。


気分はスーパーボール

9th Oct.2001

10月8日。ついにアメリカが戦闘の火ぶたを切った。
テロの首謀者と目されているビンラディン氏をかくまう、アフガニスタンのタリバン軍事施設の空爆を開始したのだ。
攻撃から戻った兵士は高揚した口調で「まるでスーパーボールに出場した選手の気分だ」と語った。
君がスポーツ気分で投下した爆弾やミサイルの下で、何人もの人間の肉が裂け血が飛び散り、虫ケラのように命を落としていったのだよ。
近代戦はコンピュータに囲まれたボタン戦争になり、自分が人殺しをしているというイメージが湧かないのか?
そもそも凱旋してきた爆撃機の映像と興奮した兵士のインタビューを流すこと事体、すでに国家による情報操作が始まっている証拠だ。
愚かな民衆を洗脳するにはテレビというメディアが一番だ。
知恵ある人々は多数決という暴力の前に口を噤み、アメリカの政治家は愚かな世論を味方に、世界で我が儘をとおそうとする。
憎しみはさらなる憎しみを、復讐は次の復讐を産むだけということを知っていながら、国益という欲望の許に戦争をするのだ。
「スーパーボール」などという言葉で殺し合いを美化してはならない。


わけありセール

17th Oct.2001

小倉玉屋で恒例の「わけありセール」が始まった。
まりのえはこのセールに弱い。はずれ物やサイズ飛びの上物が格安で手に入る上、中古ドレスの販売までしているからだ。
ついフラフラと出掛けてしまっては、なんだかわけのわかんない物を買ってしまうのだ。
今日は一目惚れしたスーツを一式購入。いい収穫だ。さらに着物コーナーでまずまずの打ち掛けを格安で見つけて心が動いたが、
今のアトリエには置く場所もないし、和服のお話を描くのはもう少し先の予定なので、今は我慢と言い聞かせる。


雨のBeauty-Q雑誌デビュー

21th Oct.2001

今日は「Beauty-Q」雑誌版のデビューの日。期待と不安の入り交じった気分でイベント会場に向かう。
この雑誌は購入ターゲットをコスプレイヤーとカメコに想定しているが、コスプレの写真はいっさい載っておらず、
自分的にはそのターゲットの人達にどこまで受け入れてもらえるか、不安な面もある。
ところが会場までくると、なにやらいつもと勝手が違うではないか。
スタッフが入口で「カメラを持っている人は受付に出して下さ〜い」とか叫んでいるし、会場内では「写真撮影禁止」の放送を流している。
今日のイベントはコスプレは可能なものの、写真撮影はいっさい認めないというものだった。
おかげで会場内はなんだかひっそりと静まっていて、まったく活気というものが感じられない。まるでオリジナルオンリーイベントの様。
聞けばコスプレイヤーの3割、カメコの9割は「写真撮影禁止」という措置を聞いて、入口で帰ったという。
コスプレをしている人もちらほらといるが、みんななにか手持ち無沙汰。所在なく三々五々と固まっていて、観客のいない舞台のみたいだ。
「中洲の風俗に、何も知らないコスプレの若い女の子の写真が使われた」とか
「スタッフにデジカメを没収されて返してもらえない客が警察に訴えた」とかいう噂がまことしやかに流れていて、
イベント会場は疑心暗鬼の渦の中だ。
事の真偽はぼくでは分からないが、この措置が確実にイベントのイメージをダウンさせたのは確かだ。
日頃コスプレするだけで本を見ることはあまりないようなコスプレイヤーを、うざったく思っているサークルさんも、
それでも誰もいなくて活気がないよりはマシだと感じたことだろう。
つまんない写真しか撮れないカメコにしても同じことだ。どんなに無駄と思える人達でも、そこに来ることに意義があるのがイベントじゃないか?
人のいないイベントなぞ、存在意義さえないのだ(北九州博覧祭がいい例かも)。
こんな措置はイベントの衰退を招くだけだ。風俗に無知なコスプレイヤーの写真が使われたから撮影禁止などというのは問題外。
そんなことを言ってると道を歩く若い女の子はみな、ズボンをはかなきゃならないということだ。
このご時世、イベント会場で盗撮をする奴はどんな手段を使ってでもする。
それを防ぐにはイベント主催者や本を発行している人間が、コスプレイヤーの意識を高めていくよう努力するしかない。
もしくは別の主催者がやっているように、撮影を登録制にしてカメコの身元を明らかにしておくことだ。
カメラを返さないというのはもう犯罪。お菓子を持ってきた生徒から没収して、自分が食べている不埒な教師よりタチが悪い。
それが許されると思うのは、スタッフや主催者の思い上がりだろう。
だいたい今回の措置について主催者側からなんの説明もないのはおかしい。
ふつう事情を説明して「だから撮影禁止に踏み切りました」と、参加者を納得させるようにするべきだろう。

「Beauty-Q」の創刊は今日の激しい雨と相まって、まさに水を差されたという感じだったが、
そんな逆風の中で「beauty-Q」は予想以上に健闘した。
「写真が綺麗」「ポージングコーナーが役に立ちそう」と、コスプレイヤー以外の一般客も買ってくれたのは本望。
禍い転じて福というか、おかげでコスプレイヤーさん達の目にも止まり、向こうも結構暇なようで(失礼)、ゆっくり話しをすることもできた。
嵐の船出ではあったが、「beauty-Q」のこれからにはずみがつきそうな手ごたえだ。
今回「beauty-Q」デビューと写真撮影禁止が重なったのは、なにかの因果かもしれない。
「beauty-Q」はただフォト雑誌じゃなく、コスプレイヤーやカメコの意識を啓蒙する役に立たなきゃいけないという
使命感みたいなものを感じたからだ。


百物語文化倶楽部

27th Oct.2001

恒例の百物語文化倶楽部イラスト展示会。茉莉のエントリーは今年で7回目になる。
去年は不本意な作品を出してしまい後悔の嵐だったが、今年は納得いく作品を出せたという手ごたえがある。
…と思っていたら、会場にディスプレイしてある姿は、なんとも地味で目立たない。しかもデッサンまで狂ってるし…
う〜ん。こんなはずではなかったんだが。完成直後は舞い上がってて、よく目が見えてなかったのかもしれない。
それでも自分的には結構気に入ってるので、まあ、よしとしよう。
閉場後はお久し振りに姫を誘ってお食事会。
浄水通りをリサーチしながら大濠公園のレストランへ行ったが、あいにく貸切で入れない。
仕方がないのでマリノアシティまで足を伸ばした。
「姫もうお腹すいてどうかなりそう。まだですか?」
「待つは最高の前菜っていうじゃない」
「そんなまずい前菜、食べたくないです!」
などと言いながら、マリノエシティでは無事にフランス料理にありつけた。


大戦前夜

31th Oct.2001

国会で「対テロ3法」が成立。今のアフガニスタン戦争への自衛隊の参戦が濃厚になってきた。
小泉総理は圧倒的な国民の支持を背景に、この戦争参加のための法案を押し通したわけである。
与党のみならず多くの野党までが、アメリカの腰巾着に成り下がったかのようだ。
現在は2年間の時限立法だが、これが本格的な平和放棄の法律に繋がらない保証はなにもない。
それは日本がかつて戦争への道をひた走った時のようでもある。
当時だって利益に聡い商人と政治家が結びついて、巧妙に世論を導き、政党を統一して戦争への道を突っ走ったわけだろう。
そして世の中の大多数の人は日本が正義だと信じ、聖戦を応援してきたわけだ。それが国家の破滅に終わるとは誰も予測しなかった。
このままアメリカの言うなりに戦争へ参加するのは、日本にとっていいことはなにもない。
万一日本の艦船が被弾して犠牲者を出すようなことにでもなれば、今の政況では更なる強硬策をもって戦争にのめり込んでいくのは必至だ。
当事国でない日本は仲裁と和平の道を選択するべきだったと、ぼくは信じている。


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