イラスト日記

2000年 12月

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アトリエ改装計画

1st Dec.2000

去年水漏れ事故をおこして以来引っ越ししたくてたまらないマイアトリエだが、ここにきてオーナーが改装をはじめた。
まず、外壁の塗り直しからはじめて、すべての塗装の塗直し。
そして部屋の中にどんと居座っていた水漏れの原因でもあった電気温水器を、ガス給湯器に代える工事も今月からはじまる。
まりのえアトリエのある賃貸マンションは、安普請だがオーナーの対応がよく愛を感じる。(それが引っ越しできない理由のひとつ)
今回の改装も当面の引っ越しを断念しかけた矢先のことで、ここまで綺麗にしてくれるならもう少しここにいようという気になる。
しかも嬉しいことに、温水器を撤去した1.5畳程のスペースがそのまま収納に使えるというのだ。
ちょうど部屋の模様替えを計画していたところなので、まさに渡りに船。天の采配と思って、もう暫くはこのアトリエに居座ることにした。


チョ〜ムカつく!

8th Dec.2000

愚痴を書く!
一昨年買ったMacG3は固まることが多く最初から調子がよくなかった。原因が特定できずそのまま使っていたが、
ここにきてインターネットやメールもおかしくなった。
アプリケーションやOSが悪いのかと思ってあれこれいじったが、どれも空振りで、最終的にHDを変えてそれにOSを入れることにする。
HDを増設してそれにOSをインストールしデータをコピー。重要データを新しいHDに引っ越しさせて元のHDをフォーマット。
ところがデータが足りない。引っ越しの時にコピーし忘れたデータがあって、それらはフォーマットされてしまったのだ!
過去のメールやイラストの一部がポシャってしまった。自分の手違いとはいえ悔しくてMacを蹴る。
しかも新しくシステム用に入れたHDの調子が悪く、OSが立ち上がらない。
コピーしたデータも一部が壊れて失われてしまった。あまりの不条理に悔しくてもう一度Macを蹴る!
これでMac正常化計画は不良箇所を特定できないまま振り出しに戻る。まったくいまいましい限りだ! 電源を落として最後にMacを蹴った!


模様替え

12th Dec.2000

21世紀対応のアトリエを目指した模様替えも3分の1ほど終了。
先月撮ったビデオの編集を早くしないといけないので、リビング兼AVルームと寝室を先にやった。
今までオーディオとビデオが別々の部屋にあったものをリビングにまとめたのだ。
自慢じゃないがうちのオーディオとビデオはかかった金額もメカの重量も凄い。(自慢じゃん)
これでまた部屋の床が抜ける心配がふえた。
温水器を撤去したスペースは、フローリングを張って本棚などを置き、ウォークインクロゼットにした(笑)。
仕事場の模様替えは近々修羅場が控えているので、正月休みの間にすることにして、いったん模様替えを終わる。


1000年のクリスマス

15th Dec.2000

この季節のハウステンボスの夜景は美しい。
今年は特にミレニアムクリスマスということで、1000年のクリスマスと銘打って華々しくイベントをやっている。
そこで今回は、クリスマスツリーと夜景に被写体を絞って取材に行った。
ぼくはクリスチャンじゃないので、クリスマスという行事を祝う気持ちはないけれど、
このクリスマスイリュミネーションの美しさを前にした時だけは、日本人の宗教的寛容さに感謝したい気持ちになる。


イヴイヴ

23th Dec.2000

マンガ仲間が二組、本を作りにアトリエでバッティング。
来年のカレンダーも作らないといけないので、仕事をしつつ〜の、カレンダー作り〜の、本を作り〜ので、明け方まで大車輪。
イベント前のよくある光景とはいえ、やっぱ半徹夜はしんどい。しかも主力のMacが絶不調で、仕事がまったく思いどおりに進まない。
イライラを通り越してもう笑うしかないという状態だった。
ところがあれほど調子の悪かったメールやインターネットが突然復旧。なぜ?
不良箇所も治った訳もわからないけれども、とりあえず神の思し召しということで、ありがたく恩恵に浴することにする。


ラ・フランチェスカ

29th Dec.2000

可憐さんの写真集撮影の締めくくりは山口ロケ。ザビエル聖堂の麓にあるロケーションのいいプチホテルで撮影した。
タングステンっぽさを残したムーディーな写真にしたかったが、そうするとシャッタースピードは1/4とかの世界でかなり厳しい状態。
メイド2種類に始まり、夕食を挟んでベッドやソファのシチュエイションで、チャイナやその他コスプレを狂ったように撮りまくる。
かなりのロスはあったがとにかく枚数を切って、当たればOKという感じの撮影になった。
結果はこれまでのスタジオ撮影にない写真が撮れて、可憐さん本人はかなり満足ではしゃいでいたが、こちらは明け方まで写真三昧でダウン。
相変わらず撮影になるとヒートアップしまくる可憐さんであった。
翌日は予定では門司港レトロで撮影するつもりにしていたが、天気が悪くかなり冷え込んだので、
『これじゃナシかな〜?』と思っていたが、やっぱり撮影したいご様子。
かなり露出度の高い「スカートはき忘れてきました」というようなコスプレで撮りまくった。
今回のロケの収穫を今すぐ見たい方は、可憐さんのサイトに速報をアップしているので、アクセスすべし。
今世紀最後の撮影会は、こうして終わった。


さよなら20世紀

31th Dec.2000

20世紀が終わる。
思えば子供の頃の21世紀のイメージというのは、「科学と学習」なんかのマンガや読み物では、空をクルマが飛び交い、
人々は素材不明な銀色の服を纏い、都市も部屋も思いっきり無機質でクールな造型で描かれる、科学の世紀だった。
その科学万能のお気楽なイメージの強かった21世紀を明日に迎えて、ほんとうに人類に明るい未来はあるのだろうかと考える。
後世の歴史家は20世紀に発達した科学を、仏教、キリスト教、イスラム教に継ぐ、「第4の宗教」と捉えるかもしれない。
科学が発達し便利さを追求することこそが人類の幸福と、ぼくらは妄信してきた。
科学が抱えるさまざまな矛盾や弊害も、さらなる科学の発達で解決できると予言してきた。
だが、科学は目に見えないものを信じない。実証できないものの存在を信じない。
現在の未熟な科学で実証できないものなんぞ、世の中にゴマンとある。
中世ヨーロッパはキリスト教が世界の中心で、森羅万象を聖書の記述によって解釈してきた。
「宇宙の中心は地球」「化石生物は神の失敗作」
天動説や進化論を否定し続けてきた「暗黒時代」と呼ばれる中世の価値観を、現代人は笑う。
しかし現在の未熟な科学を信じているぼくらは、きっと未来の人類に笑われることだろう。
もっともぼくらを笑う人類が存続していればの話だが。

、、、なんちゅう抽象論はほんの感傷に過ぎない。
20世紀最後の今日は、相変わらず修羅場の忙しさに追われて「正月休みもない〜!」とボヤきながら、イヤイヤ仕事する一日で終わった。
それでも紅白歌合戦は結構見てしまった。
ピンクレディにはちょっと感動。無惨なピンクレディが出てくるかとおののいていたら、結構イケていた。
あれもぼくの青春だったね〜。(そこまでファンではなかったが、レコードは持ってる)
紅白が終わればゆく年くる年。
もうすぐ20世紀が終わる。
19世紀までの戦争で殺した人類全部以上を殺した大戦争のあった世紀。
生物史上わずかの期間に大量の生物を絶滅させた世紀。
5億年かかって地球が溜めた石油と石炭をほとんど使い果たした世紀。
人類が宇宙に飛び出し電波も宇宙を経由し、世界が縮まった世紀。
生めよ殖やせよ地に満ちよと人類が60億にまで殖えた世紀。
人類が神に変わって生命を操作することを覚えた世紀。
タイタニックが沈みヒンデンブルグが燃えチェルノブイリから放射能が漏れ、原子力潜水艦が浮上せずスペースシャトルが爆発した世紀。
絶対王政が破れ帝国主義が破れ共産主義が破れ、かといって資本主義が勝利したわけでもない世紀。
日本が帝国主義と資本主義のふたつのバブルに敗れた世紀。
ノストラダムスの大予言の呪縛が消えた世紀。
ぼくの生まれた世紀。
殺戮と享楽と浪費と喧噪に満ち満ちた賑やかな世紀。そんなに捨てたもんじゃなかったよ。
さよなら20世紀。


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