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人物切り抜き法

15th Apr.2006

人物切り抜きはCG作成にはなくてはならないもの。
まりりん流の切り抜き法大公開!


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人物切り抜き法

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  ■人物の切り抜きは、地味だけど大事な作業
CGを作る上で、いかに綺麗に自然に人物を切り抜くかは、とても大切な事だ。
人物を別の景色や素材にはめ込んだり、プロポーションや色調を修正したりするのには、人物の選択範囲をキチンととる必要がある。
とは言え、人物の切り抜きは、初心者には地味でおそろしくつまらない作業になり勝ちだ。
ぼくも切り抜きはしないですむならそれが一番。この作業が面倒臭いばかりに、頼まれ物のCGの完成が1年2年と延びていく、、ああ。
そんな人物切り抜きは地味だけど大事な作業なので、しっかりマスターしよう。


  ■選択範囲を取る方法
人物を切り抜くためには、まず人物の選択範囲を取る必要がある。
選択範囲の取り方にも
いろいろあるが、ここでは4つの方法を紹介しよう。 同時にそれぞれの長所や短所もおおまかに説明しておく。
Photoshopは選択範囲との戦いなのだ(笑)。 自分に合った切り抜き方法をマスターしよう。

   ■消しゴムツールで切り抜く
  ○ レイヤーマスクの知識がなくてもできる。
  × ブラシでの作業になるので、ある程度のテクニックがないと綺麗に切り抜けない。
  × 
一度消したら二度と修復できない。

   ■自動選択範囲ツール→レイヤーマスクで切り抜く

  ○ 簡単にできて便利。
  ○ はっきりした色の部分は、サクサクと選択範囲がとれる。
  × 自動選択範囲ツールでは、境目にジャギができやすい。
  × バックとの色の境目がはっきりしない場合は、選択範囲がとりにくい。


   ■多角形ツール(なげなわツール)→レイヤーマスクで切り抜く
  ○ 比較的簡単にできる
  ○ 
バックとの境目が見え難くても、思う通りに切り抜ける。
  × なげなわツールでは大きな面積を一度に選択できず、職人芸が必要。
  × 多角形ツールでは直線の連続になるので、カクカクした線になり勝ち。 


   ■パス→レイヤーマスクで切り抜く
  ○ 思う通りの曲線が出せ、綺麗な切り抜きができる。
  ○ 後から線の修正が簡単。
  × 使いこなしにある程度の習熟が必要。

   ■プラグインの切り抜きソフトで切り抜く
  ○ 比較的簡単で確実に切り抜ける
  × ソフトが高価


  ■消しゴムツールは使わない!
人物を切り抜くのに消しゴムツールを使ってバックを消す方法もあるが、これは使わない方が賢明。
消しゴムツールを使うと一度消したものは取り返せないので、融通が利かないからだ。
レイヤーが増えるのを嫌う気持ちは分かるが、どうせCGはレイヤーが増えるものだ。
あとの事を考えると、アルファチャンネルを使う方が便利。


 

もっとよくわかる用語解説


■切り抜きサイズ

人物を切り抜く場合、使用サイズは大きな要素になる。
500px程度のWebサイズなら、それほどまで精度は要求されないが、A4等にプリント前提なら、かなり気合いを入れて切り抜く必要がある。
まりりんは後々の使い回しの事を考えて、撮影した原寸で切り抜いている。
Webにアップするにはオーバースペックだが、多少荒く切り抜いても縮小されて綺麗になるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

■切り抜きソフト

Extensis Mask Pro等、切り抜き用プラグインがサードパーティから出ているので、お金に余裕があればそれを使うのもいいかもしれない。
まりりんは使った事はないが、一説によれば煙もそれらしく切り抜けるとか。
価格は上記のMask Proで29.800円くらい。

  ■まりりん的人物切り抜き法
では、カメラマンまりりんは、どんな方法で人物切り抜きをしているのか?
ここでは実際の手順を追いながら、まりりん的人物切り抜き法を紹介しよう。
あくまでこれは自分流の切り抜き方なので、必ずしもこの方法がベストではなく、各自が工夫を凝らして新しい方法を編み出してほしい。(開発したら
教えてねv)
(画像をクリックすれば、原寸画像が開きます)

  1.人物をパスで囲む
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■選択範囲の作成方法

まりりんは主にパスを使うが、多角形選択ツールやマグネットツール、場合によっては自動選択ツールで選択範囲を作成してもいい。
これらを使った場合、パスパレットからの選択範囲の作成は不要になり、ダイレクトにクイックマスクを適用する。


■素材となる画像を開き、レイヤーパレットの「背景」をダブルクリック。画像レイヤーを適当な名称に変える。(デフォルトは「レイヤー0」)
こうする事で画像レイヤーのロックが解除され、マスクや描画モード、透明度やレイヤースタイル等、様々な加工ができる様になる。

■人物を切り抜く際に、人物レイヤーだけだと透明部分が見づらいので、「新規レイヤー」を作成し、すべてを選択して単色で塗りつぶし、人物レイヤーの下に敷いておくと分かりやすくなる。
塗りつぶしの際に、人物レイヤーで使われていない色を使用するのがコツ。

■ツールパレットからペンツールを選択し、人物の輪郭に沿ってパスをとっていく。
髪の毛はパスでとってもいいが、より細やかな切り抜きをするのなら、大きく切り抜いておいて、後でブラシツールで細かく抜くといい。
手の間等の部分も、別のパスをとって閉じる。
パスの作成にはある程度の慣れが必要なので、根気よくやろう。


  2.マスクを作成する
 

 

■レイヤーマスクとアルファチャンネル

レイヤーを使い始めてまず戸惑うのが、このマスクとアルファチャンネルだ。
選択範囲をとってクイックマスクを適用すると、レイヤーのサムネールの右側に新たに白黒のサムネールができるが、これがレイヤーマスクだ。
チャンネルパレットを見てみると、RGB、赤、緑、青のレイヤー(チャンネル)の下に、「アルファチャンネル1」というレイヤーができているのがわかる。
選択範囲を保存した時もアルファチャンネルはできる。
アルファチャンネルは、画像とは独立してグレースケールとして扱う。また、それぞれのレイヤー毎に設定する事ができ、いつでも読み出して編集する事ができる。
そのあたりの概念が理解できれば、レイヤーマスクとアルファチャンネルを使いこなす事ができる。
イラストでエアブラシ等を使う時にマスキングをする事があるが、それと同じと思えばいい。

 

■タブレットのすすめ

ブラシツールを使う場合、タブレットがあると非常に便利だ。
タブレットでは「ブラシサイズ」「透明度」「カラー」等が筆圧によって変化させられるので、より自然で簡単な切り抜きができる。
大きなタブレットを買わなくても、B6程度のサイズで充分だ。
WACOMの1万円前後のものがお薦め。

 

■カメラの被写界深度

一眼レフで撮影した画像は、カメラから人物までの距離によって、ボケた部分ができる事がある。
例えば手をカメラに向けて差し出して、近距離から中望遠以上のレンズで撮った場合、指先から顔にまで全部ピントを合わせるのは難しい。
人物のどこかにボケた部分があると、切り抜きする時もそこをぼかした方が自然になるが、その場合でもレイヤーマスクでぼかしをかけた方が綺麗になるし、後々の修正もききやすくなる。


■人物レイヤーをアクティブにし、パスウィンドウから「作業用パス」を選び、「選択範囲を作成」をクリック。Okを押す。
「選択範囲のぼかし」を0.5pxくらいにしておくと、輪郭が背景に馴染みやすいが、輪郭をぼかすのは後からでもできるので、あまり神経質にならなくていい。
■選択範囲を示す点線が出来たら、レイヤーパレットに戻ってパレットの下のクイックマスクをクリックする。
そうすると人物が選択範囲に沿って切り抜かれ、人物レイヤーの右側に新たに白黒のレイヤーが表示される。
これがレイヤーマスクで、以後切り抜きにはこのマスクを利用する。

■切り抜いていない髪の毛や、パスのとり方が悪かった部分を、ブラシツールで潰していく。
適当なブラシを選び、レイヤーマスクをクリックする。レイヤーパレットが
マスク編集マークになり、ツールパレットの描画色が黒になっているのを確認し、ブラシで不必要な部分を消す。
マスクした部分を表示したい場合は、描画色を白にすればいい。

■切り抜きが終わった状態を100%で表示。
髪の毛は後で細かい調整をする予定なので、おおまかに切り抜いているだけだ。 切り抜きやすい髪なら、この段階で終了の場合もある。
人物の輪郭をぼかしたい場合は、該当部分のレイヤーマスクに、フィルタ等でぼかしを適用すればいい。


  2.髪の毛を描く

 

 


 

■抽出フィルタを使った切り抜き

今回解説した髪の毛の表現は、どちらかというと「描く」という感じで、写真的な切り抜き法ではない。
そこで抽出フィルタを使えば、曖昧な輪郭の画像もある程度は切り抜く事ができるので、手描きが出来ない方はこれを利用するといい。
詳しいテクニックは以下を参照。

抽出フィルタテクニック
MdN 2003 7月号より引用

 

 

■レイヤーセットの活用

切り抜きが完成して画像を結合させると、レイヤーマスクは失われる。
これを避けるにはレイヤーのまま保存しておくしかないが、これでは別の画像に一括してコピーペーストする事ができない。
そこでレイヤーパレットの右上から、「新規レイヤーセット」を作成する。
レイヤーセットはフォルダの様なもので、そこにレイヤー入れておけば、一括して扱う事ができるので便利だ。
また別のファイルにも、レイヤーを保持したまま、レイヤーセットごと持っていく事ができる。


■まりりんの場合、細かな髪の毛は、ブラシツールで描き加えている。
まず、髪を正確に描くための下絵を用意。人物レイヤーをコピーし、マスクを破棄して透明度を20%程度まで下げ、薄く表示される様にする。

■次に「髪」レイヤーを作成する。
このレイヤーにブラシやスタンプツールを用いて下絵のとおりに髪の毛を一本一本描いていく。
タブレットを使って、ブラシの筆圧で線幅と透明度を変える様に設定しておけば、より自然な感じで描ける。
髪の色はスタンプツールで描くと自然になる。
根気とセンスのいる作業だ。

■髪レイヤーだけを表示した状態。
小さなサイズでしか扱わない様なら、髪の毛はおおまかに切り抜いて、ここまでこだわる必要はない。

■人物と髪レイヤーを表示させて完成。
レイヤーパレットの右上から「表示部分の結合」を選んで、髪と人物を結合すれば、一枚のレイヤーとして扱う事ができる。
この場合マスクも統合されるので、マスクの編集はできなくなる。
ここまでの作業は保存しておき、統合した物は別名で保存して使うといい。

モデル協力:桜花雨竜

以上、 人物切り抜き法を解説してみたが、いかがだっただろうか?
これだけでは理解できない部分や説明不足の部分もたくさんあるが、
少しでも切り抜きの役に立てれば幸いだ。

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